いつもご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、「早期退職の経験を面接でうまく説明する方法」を紹介します。
「入社したけど、家庭事情で辞めなければいけなくなった。」
「良い職場だと思って働いてみたけど、なんか違うと思ってすぐに辞めた、、、」
「入社後すぐに体調を崩して、すぐに辞めてしまった」
など、多くの方が様々な理由で早期退職を経験しています。
早期退職の経験がある人が面接時に困るポイントは、
「早期退職のことをどうやって面接で説明すればいいのだろう?」
ということです。
これまで、早期退職についてうまく説明できなかった方でも、本記事を読んで頂ければしっかりと説明できるようになります!
また、「早期退職の経験があっても大丈夫なんだ」という安心感を得てもらえると思います。
そもそも介護職は離職率が高い
3K(きつい、汚い、給料が安い)といわれることが多い介護のお仕事。
介護以外の仕事と比較すると、そもそも介護職は離職率が高い部類の業種に入るのです。
このように、介護業界では3年以内で離職する人が60%を超えるのです。
介護業界で働く人であれば介護職の離職率が高いということは聞いたことがあったり、実感としてもそのように感じることがあるのではないでしょうか?
早期退職についても頻繁にあることでなので、しっかりと説明することができれば、早期退職が理由で不採用になることはほぼないのです。
介護職で離職理由として多いのは?
離職率が高い介護職において、それぞれの離職理由の比率を表しているデータがあります。
介護労働安定センターが発表しているデータによると、「職場の人間関係に問題があったため」という理由が約25%で1位です。
誰しも悩んだことがあるであろう人間関係が、ほとんどの人の退職理由にもなっているのですね。
人間関係と同じくらいの数値であったのが、「法人や施設・事業の理念や運営のあり方に不満があったため」です。
これはおそらく、施設長などの管理職とリーダーや主任の業務の進め方に対する不満が大きかったのだと思います。
この結果からわかるように、妊娠・出産や引っ越しなどの「しかたない理由」で辞める人は少なく、何かしらの不満を抱えたことで他のところに転職するために辞めるということが多いのです。
どれくらいの期間で辞めてる人が多いの?
介護職は早期退職が頻繁にある職種ですが、具体的にどれくらいの期間で退職することが多いのでしょうか?
厚生労働省が発表しているデータをご覧ください。
(出典:厚生労働省職業安定局需給調整事業課 医療・介護分野における職業紹介事業 に関するアンケート調査)
このように3ヶ月以内で退職する人は17.9%~28.2%となっております。
つまり、10人採用すれば3ヶ月以内で2~3人くらいが退職するということになります。
6ヶ月以内での退職にいたっては25.6%~38.5%と、10人採用すれば3~4人くらいが退職しているということです。
ケアマネジャーや看護職などの他の職種と介護職の退職率を比較しても、介護職の退職率が1番高いですね。
早期退職したことがあっても転職できる
介護職は、他の業種と比較して離職率が高く、早期退職者も多い職種です。
面接官である、人事担当者や施設長はそのことを理解しています。
自身が関係する施設においても、突然の退職や早期退職が起きることを想定して採用活動をしています。
また、介護業界は人手不足の傾向がさらに強くなることもあるので、1度や2度の早期退職があるからと言って、不採用にするほど余裕が無いというのが実情です。
過去の職歴が多少荒かったり、早期退職が数回あったとしても、しっかりと説明することができれば不採用の理由にならないケースが多いのです。
早期退職が数回あったとしても、介護職に有利であるデータを紹介します。
依然として有効求人倍率が高い
介護業界は人手不足だと言われており、それを表すデータがあります。
有効求人倍率とは、「1人あたり何件程度の求人があるか」を数値化したものです。
介護職の有効求人倍率は2018年4月に3.59となっており、2019年12月には期間中の最高値である4.8まで上昇しています。
新型コロナウイルスが発生してから、全産業平均の有効求人倍率は1.03まで急激に下がりましたが、介護職の有効求人倍率は3.82と高い数値をキープしています。
このように、介護職は慢性的な人手不足であることから常に有効求人倍率が高く、経済の影響を受けにくいサービス内容であるので、不況時にも求人が減るということが少ないのです。
新型コロナウイルスが収束してからは、さらに高い有効求人倍率になることが見込まれています。
有効求人倍率が高くなるということは、
・求職者側にとっては、求人が多くなるので見つけやすくなる
・求人者(施設)側にとっては、他の施設との求職者の奪い合いになる
ということです。
有効求人倍率が高くなればなるほど、施設としては次の求職者がいつ来るかわからないから、採用基準を下げようという動きになります。
求職者からすると、面接通過率が上がるということです。
長期的にも人手不足が続く
介護業界は現在も人手不足と言われていますが、長期的にも人手不足が続くと言われています。
近い将来では2025年問題、その先には2040年問題があります。
【2025年問題】人口に対する高齢者の比率が30%を超え、介護士が43万人不足すると言われている
【2040年問題】人口に対する高齢者の比率が35%を超え、介護士が79万人不足すると言われている
これらの問題から、長期的に見ても高確率で介護職が不足するということが分かっています。
介護ロボットやAIなどでなんとか介護職の人手不足を補おうとしていますが、簡単には埋めることができない不足人数です。
施設側としては、数回の早期退職くらいで不採用にするという余裕は無くなるという予想ができます。
面接での早期退職の具体的回答方法
早期退職の経験がある人は、どのように回答するべきなのかを迷われたことがあると思います。
確かに、介護職は求職者にとっては就職先が見つかりやすい職種です。
とはいえ、早期退職のことを聞かれたときにうまく回答することができなければ、不採用になる可能性があります。
採用してもらえる可能性を高めるため、まずは回答する際の注意するポイントを確認しましょう。
早期退職について回答するときに注意するポイント
面接で早期退職について回答するときのポイントを紹介します。
3つ挙げていますが、どれもすごく重要なポイントです。
この3つを守りながらうまく回答することができれば、早期退職をした経験もマイナスの印象を与えにくくなります!
①客観的に話す
まずは、早期退職した理由を「客観的に話す」ということです。
人間は自己防衛本能というものを持っていることから、不利になりそうだと思ったら自分をかばう習性があります。
つまり、早期退職の理由を施設のせいにしたり、自分以外の誰かのせいにしたりということをする傾向にあるということです。
これでは、聞いている側(面接官)も聞いていて良い気はしませんし、「人のせいにする人」「責任感の無い人」というマイナスイメージまで与えてしまいます。
全てを自分のせいにする必要はないのですが、可能であれば数字をまじえて事実を話すようにしましょう。
そうすることで、話に客観性が出てくるので、相手に信用してもらえやすくなります。
②端的に話す
2つ目は「端的に話す」ということです。
質問に対してのみ回答するように意識すれば、必然的に端的に話すことができます。
自分をかばおうとすると、うまく取りつくろうとしたり、いろいろな理由を並べたりするので、一文が長くなってしまいます。
一文が長くなると、質問に対する回答以外の内容も言っていることが多くなります。
本来は言わなくても良いことを言ってしまうことによって、さらに自分が不利になるような質問をされてしまうということもあります。
早期退職についての話は、できるだけ早く終わらせたほうが有利ですので、質問されたこと以上に回答する必要はありません。
③ウソをつかない
3つ目は「ウソをつかない」ということです。
ウソまではいかなくとも、おおげさに言うことも客観性に欠けるため、やめておきましょう。
極端な話ですが、ウソをついてうまく面接を乗り切り、採用してもらうことができればそれで良いと考えることもできます。
しかし、もし万が一ウソであることがバレてしまうと、ほぼ間違いなく不採用になってしまいます。
仮に入社できたとしても、働いている中で面接のときのことがウソであったとバレてしまえば、何かしらの処分になるケースが考えられます。
そこまでのリスクをとったうえで、面接で聞かれる早期退職の理由に対してウソをつくメリットは少ないです。
回答例
これまで紹介してきた「早期退職について回答するときに注意するポイント」の3つを回答例を交えて紹介します。
(面)=面接官、(求)=求職者
回答例①(客観的に話す)
客観的に話すためには、具体的な数字を入れて話すことが重要です。
(面)○○という施設は3ヶ月で退職したのですね。理由は何ですか?
(求)長く続けると、体調不良になってしまいそうだと思ったからです。
(面)具体的に、どういったことでしょう?
(求)1ヶ月あたり40時間程の残業をしています。1日あたり1時間程度の残業があり、休日出勤も月に2回程度あります。
このように数字を使って話すことで、客観性がでてくることがわかりますよね。
「40時間も残業をしている」「月に2回も休日出勤がある」というのは、誰が聞いても同じ内容です。
しかし、「残業がかなり多い」「休日出勤も頻繁にある」などの回答だった場合はどうでしょうか?
「多い」や「頻繁」という単語には、人それぞれの基準があり、誰が聞いても同じというふうにはならないのです。
回答例②(端的に話す)
端的に話すには、聞かれたことに対してのみ回答しましょう。
(面)○○という施設は3ヶ月で退職したのですね。理由は何ですか?
※理由が何かを聞いているので、理由のみ回答することを意識。
(求)雇用契約書の条件と実際の条件が違ったためです。
(面)具体的に、どこがどのように違ったのですか?
※違った点と違った内容を聞かれているので、それについてのみを回答する。
(求)基本給の金額が違いました。(違った点)
雇用契約書には基本給は○万円と記載されていましたが、実際に支払われているのは△円です。(違った内容)
このように、何について質問をされているのか、何に対して回答すれば良いのかを考えながら話を進めていきましょう。
質問されていること以外に回答をしてしまうと、「話を聞いていない」というイメージを与えてしまうことにもなるので要注意です。
何について質問されているかがわからなくなれば、質問内容を確認しても大丈夫ですので、落ち着いて対応しましょうね!
回答例③(ウソをつかない)
ウソをつかないこと(おおげさに言わないこと)については、NG回答例を紹介します。
(面)○○という施設は3ヶ月で退職したのですね。理由は何ですか?
(求)色々と合わないことが多かったからです。
(面)具体的に、どういうところが合わなかったのですか?
(求)私は毎日大変な思いをして頑張っていたのに、誰も私を助けようとしてくれたかったんです。そういう人間関係の職場では長く続けれないなと思って、辞めることにしました。
(面)○○さんは、誰かにその状況を相談したりしましたか?
(求)施設長に毎日のように相談しましたが、全然動いてくれませんでした。何回言っても無駄だと思って、諦めました。
この例は、私が以前担当していた求職者さんとのやり取りの実際の面接の一部です。
内容自体は本当だったようなのですが、「毎日のように相談した」や「全然動いてくれない」というようにおおげさに言ってしまったことが、ウソだと判断されてしまったのです。
また、他の2つのポイントである、「客観的に話す」「端的に話す」もクリアできていないことをお分かり頂けたでしょうか?
本当のことであったとしても、おおげさに言うことで、ウソと捉えられることがあるということも注意しておきたいですね。
まとめ
今回は、早期退職の経験を面接でうまく説明する方法を紹介しました。
なかなかぴったりの施設が見つかりにくく、早期退職してしまうこともある介護職。
介護職は、早期退職の経験がある人でも次の転職活動にチャレンジしやすい職種です。
今回紹介した早期退職について回答するときに注意するポイントを意識すれば、早期退職の経験があったとしても採用してもらえる確率が上がります!
早期退職の理由で悩んでいる方の参考になれば幸いです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。