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今回は、介護士として勤務する際のショート夜勤とロング夜勤を比較していきたいと思います。
勤務時間・業務内容・夜勤手当においてどちらがいいのか、また夜勤明けについても事例を踏まえて見ていきます。
入所系の施設(特別養護老人ホームや有料老人ホームなど)で勤務する介護士であれば、ショート夜勤かロング夜勤、どちらがいいのかは1度は悩んだことがあるのではないでしょうか?
・ショート夜勤のほうが1回あたり働く時間も短くて楽そうだ
・ロング夜勤のほうが夜勤明けを有効に使えるのではないか?
・ショート夜勤は結局残業が多いんじゃないの?
・ロング夜勤はちゃんと仮眠が取れないって聞くけど?
など、調べた情報や他の介護施設で勤務している介護士からの話を聞くことがあると思います。
・夜勤も含めて介護士として働いているものの、夜勤の体制が合わないと思っている人
・これから夜勤がある施設で介護士として働くことを検討している人
は、どちらの夜勤体制が自分に合うのかもしっかりと考えて求人を選ぶ必要があります。
いざ働いてみて、「ロング夜勤(ショート夜勤)のほうが良かった、、、」とならないよう、それぞれ詳しく見ていきましょう。
そもそもショート夜勤とロング夜勤の比率って?
そもそも、ショート夜勤の体制とロング夜勤の体制をとっている施設の比率は、どれくらいなのでしょうか?
ショート夜勤の施設って、あまり見ない気がしませんか?
実は2019年のデータにおいて、ショート夜勤体制の介護施設は全体のうち11.5%と、かなり数が少ないのです。
一方で、ロング夜勤のシフト体制の介護施設は全体のうち87%となっています。
ここまで大きな差がある要因の1つに、施設設立における要件の変更があると言われています。
ショート夜勤は主に、「ユニット型特別養護老人ホーム」に多く採用されています。
2002年度から「ユニット型特別養護老人ホーム」(小規模生活単位型特別養護老人ホーム)に対応した施設整備費補助金が設けられました。
つまり、2002年度以降に設立された特別養護老人ホームは、基本的にはユニット型ということになり、ショート夜勤体制を採用していることが多いのです。
それ以前は、4名1室などの「多床室」と呼ばれるお部屋を配置した「従来型特別養護老人ホーム」が主流で、ロング夜勤が当たり前だったのです。
最近になってから「ユニット型特別養護老人ホーム」が出来始めたということが関係して、ショート夜勤の職場を見つけることのほうが少ないということです。
ショート夜勤とロング夜勤の比較
では具体的に、ショート夜勤とロング夜勤にはどのような違いがあるのでしょうか?
同じ「夜勤」とはいっても、かなりの違いがあることがわかります。
①勤務時間
②業務内容
③夜勤手当
という順番に、3つの観点で違いを見ていきましょう。
勤務時間
まずは勤務時間の違いです。
以下の図をご覧ください。
シフト上ではショート夜勤は1日分の勤務、ロング夜勤は2日分の勤務の計算となります。
ロング夜勤はショート夜勤と比べて、労働時間が倍程あるにも関わらず休憩は同じ1時間なのです。
※17時間拘束のまま2時間休憩を設定し、15時間勤務としているところや、18時間拘束として2時間の休憩を設定しているところなどもあります。
単純に勤務時間の長さだけ見ると、ロング夜勤の拘束(勤務)時間の長さがよくわかりますね。
職場に長い時間いることは精神的にも大変なことであるので、拘束(勤務)時間で考えればショート夜勤のほうが楽そうな気がしますよね。
次に勤務時間の長さによって、業務内容はどのように変わってくるのかも見ていきましょう。
業務内容
ショート夜勤とロング夜勤において、業務内容はどのように違うのでしょうか?
以下の図をご覧ください。
この図は、介護施設における一般的な夜勤時の流れです。
流れについては、ショート夜勤でもロング夜勤でも変わりません。
【ロング夜勤】
出勤後から夕食準備をし、就寝までのケアを行います。
就寝ケア以降は巡視や排泄介助を行います。
明け方から朝食を準備し、起床時のケア・朝食の介助までを行ったうえで退勤となります。
ロング夜勤の人は、業務が多く大変であるものの、夜勤入りである16時30分~20時くらいまでは遅番の人がいてくれることとなり、
7時~夜勤明けである9時30分までは、早番の人が出勤してくることとなります。
つまり、忙しい時間は1人ではないということですね。
【ショート夜勤】
ショート夜勤の人は巡視と排泄介助がメインです。
16時30分~夜勤入りである22時の業務については遅番の人がこなしてくれており、7時~夜勤明けである9時30分の業務については早番の人がこなしてくれます。
ショート夜勤はロング夜勤と比べて勤務時間が短く業務内容が少ないことから、より深夜の巡回や排泄介助に集中できると言うことができます。
基本的には2つのユニット(20名程度)を1人で担当することとなります。
大変な時間帯に業務することなく夜勤業務に入る(ショート夜勤)か、大変な時間帯から業務をスタートするものの、そのままの流れで夜勤業務に入る(ロング夜勤)かという違いと言ったところです。
この点については、その人の生活リズムや考え方によって良し悪しが分かれてくると思います。
最後に、夜勤手当についても見ていきましょう。
夜勤手当
ショート夜勤・ロング夜勤それぞれの夜勤手当ってどのようになっているのでしょうか?
多くの施設の求人を見ていると、おおよそですがこのようになっています。
【ショート夜勤】3,000円/1回~5,000円/1回
【ロング夜勤】6,000円/1回~8,000円/1回
このように、ロング夜勤のほうが1回あたりの夜勤手当が高くなっています。
ショート夜勤に比べてロング夜勤は倍程働くことになるので、当然と言えば当然ですよね!
また、月間の夜勤回数の標準にも違いがあり、ショート夜勤は月6~8回・ロング夜勤は月4~5回となっています。
夜勤手当のみの収入の目安は、
【ショート夜勤】18,000円/月~40,000円/月
【ロング夜勤】24,000円/月~40,000円/月
ということになります。
ロング夜勤であれば1ヶ月に入る夜勤の回数が少なくても、ショート夜勤よりも稼げるということです!
出来る限り多く稼ぐという点では、ロング夜勤のほうが魅力的ですね!
ショート夜勤とロング夜勤の夜勤明けの違い
ショート夜勤とロング夜勤には拘束(勤務)時間の長さに違いがあり、ショート夜勤は1日分の勤務計算で、ロング夜勤は2日分の勤務計算となります。
それに伴って、ショート夜勤とロング夜勤では、夜勤明けのカウント方法も変わってきます。
基本的に、ショート夜勤の場合は夜勤が明けたその日が公休という考えになります。
対してロング夜勤は、夜勤が明けたその日とその翌日も公休となります。
仕事終わりをどのように過ごすかを考えるにあたって、夜勤明けの扱い方については非常に重要な点になると思いますので、それぞれ説明していきます。
ショート夜勤
ショート夜勤は1日分の勤務です。
勤務開始と勤務終了の時間が違うだけで、扱い方は日勤と同じということです。
例として、以下をご覧ください。
この図の2日・3日のように、夜勤明けの次の日にシフトに入るケースなどがあります。
また、夜勤者が少ない施設では、図の5日~7日のように連続夜勤ということもあるみたいです。
基本的には夜勤が明けたその日がそのまま公休として扱われ、翌日からは通常の出勤となることが多いのです。
夜勤で疲れて帰宅してから仮眠し、日中を過ごしてまた夜を過ごせば、すぐに仕事というイメージですね。
しっかりと休みたいという人にとっては、フリーになれる時間が少し短いと感じることになると思います。
ロング夜勤
ロング夜勤は2日分の勤務です。
基本的には、【夜勤入り・夜勤明け・公休日】がワンセットとなっています。
例として、以下をご覧ください。
このように、2日分働けば1.5日くらいの休みがあるというイメージです。
1日は確実にゆっくりと過ごしたいと思っている人にとっては、プライベートも充実させやすいシフト体制になっていると言えます。
ただし、夜勤者が少ないところでは、公休日に日勤帯に入ることを依頼されるケースや、公休日からまた夜勤入りとなるケースもあるようです。
それぞれの夜勤が合うケース
深夜のみ仕事をすることで、早朝や夕方に予定を入れやすいショート夜勤。
夜勤明けの次の日が公休ということで、丸一日の予定を確保しやすいロング夜勤。
それぞれのシフトが合うケースがあります!
実際に、ショート夜勤・ロング夜勤はどのような人に合うのかを実例を踏まえて見ていきましょう。
ショート夜勤が合う人
ショート夜勤が合う人は、「夜勤の前後を有効活用したい人」です。
さっそく実例をみていきましょう。
例1)中学生以上のお子様がいるお母さんが正社員として働くケース
ショート夜勤は業務開始が22時頃からであることが多いため、家族で夕食を済ませてから出勤することが可能です。
また、早朝7時頃には業務終了となることから、お子様のお弁当の準備をする・家族で朝食の時間を過ごすこともできます。
日中は仮眠や家事をして過ごし、また次の日から仕事というスケジュールを立てる方が多いです。
例2)家族の自営業を手伝いながら正社員として働くケース
例1)と同じように、夜勤前後の時間を有効活用するというケースです。
夜勤に入る前はお店を閉店作業を手伝うことができ、夜勤明けのあとには開店作業を手伝うことが可能です。
家族で協力しながら自営業をしている方にとっては、自分の仕事の前後に手伝うことができるということは非常に大きいポイントですね。
このように、ショート夜勤の勤務時間は22時~翌7時の勤務が基本となっているので、早朝や夕方から夜間帯にかけてしてやりたいことがある人にとっても、やりたいことの妨げになりません。
ただし、夜勤明け翌日が仕事になることが多いため、夜勤明けの日の日中すべてに予定を入れたいという人にはロング夜勤をおすすめします。
ロング夜勤が合う人
ロング夜勤が合う人は、「しっかり稼いだうえで、公休日を有効活用したい人」です。
さっそく実例をみていきましょう。
例1)時間に制限なく働くことができ、正社員としてしっかりと稼ぎたいというケース
時間制限が無く働くことができるため、ロング夜勤をしているというケースが一番多いです。
このような方は、【夜勤入り・夜勤明け・公休日】の夜勤明けでしっかりと体調を回復し、公休日には単発のアルバイトを入れるなどして、更に収入をアップさせています。
無理をしすぎて体調を崩さないことが前提とはなりますが、このように働くことができるのも、ゆったりとしたスケジュールであるロング夜勤だからこそ。
出来る限り多く稼ぎたいという方にはぴったりです。
例2)身内にサポートが必要な人がいるが、正社員として働くケース
ロング夜勤は、【夜勤入り・夜勤明け・公休日】という流れであることから、1.5日程休みがあるような感覚になります。
よって、公休日の部分をうまく活用して、終日両親のサポートをするという方が多く見受けられます。
夜勤明けののち仮眠を取り、その日中に両親の自宅へ移動。
そこから翌日夕方まで両親の自宅に滞在してサポートをするなどのスケジュールを立てている方が多いです。
ロング夜勤の特徴といえば、夜勤手当の金額の多さと、【夜勤入り・夜勤明け・公休日】がワンセットになっており、1.5日程休みがあるという点です。
その公休日に単発のアルバイトをしたり、誰かのサポートをしたり、趣味に打ち込んだりしたいという人にマッチします。
まとめ
今回は、ショート夜勤とロング夜勤を、①勤務時間②業務内容③夜勤手当の面で比較をしました。
また、それぞれの夜勤において、夜勤明けの考え方の違いや具体的な事例を挙げて、どのような人に合うのかを紹介してきました。
あなたは、今の生活リズムなどから考えて、ショート夜勤かロング夜勤どちらのほうが合いそうですか?
今の働き方にしっくりきていないという人は、もしかすると現在がショート夜勤ならロング夜勤・ロング夜勤ならショート夜勤の職場に転職することで、良いように変わるかもしれませんね。
今回の内容が、夜勤について考えるきっかけの1つになれば幸いです。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。