今回は、無資格・未経験の人が通る介護の転職の悩みについて紹介します。
介護の資格の種類は何があるのか。介護の無資格者でも出来る事・出来ない事は何か。
初めて介護を始める際に、しておくべきこととは?
これを見れば、全部解決します!
1.介護・ケアマネージャーに関する資格の種類
介護の職種・資格には沢山の種類があります。
大きく分けて介護・ケアマネジャー・相談援助・リハビリテーション・栄養と調理・事務です。
介護に関する資格は主に3つあります。
下図の様に取得順に、介護職員初任者研修、実務者研修、介護福祉士です。
1-0.無資格の方は義務化!認知症介護基礎研修
介護資格をお持ちでない方に厚生労働省が「令和3年度介護報酬改定」によって2024年4月より認知症介護基礎研修が義務づけられました。
インボイス制度などと同じく、2024年3月までは経過措置の期間は設けられていますが
もうすぐですので今の内に受けておくことをおススメします!!
これから認知症介護基礎研修を受けていないと求人に申し込めないなんてことも多くなってくるはずですので、無資格の方・これから介護士として働く方は是非受講をおすすめします。
認知症介護基礎研修は、講義を主体とした科目「認知症の人の理解と対応の基本」、及び
演習を主体とした科目「認知症ケアの実践上の留意点」の 2 科目により構成される。両科目
とも、180 分(3 時間)ずつが受講時間として設定されている。
(参照:認知症介護基礎研修、実践研修等のあり方およびその育成に関する調査研究事業報告書 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000136624.pdf )
認知症介護基礎研修の受講手続きや費用は、実施する自治体・団体によって異なります。
研修方法についても、研修会場に集合して研修を受ける集合形式や、eラーニングを使った通信形式などさまざまです。
→つまり、1日で終わります。
(介護福祉士、介護支援専門員、実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者をお持ちの方は免除されます)
・取得難易度:★☆☆☆☆(星が少ないと取得しやすいです)
※難易度は自治体・団体によって変わりません。
・おすすめ度:★★★★★
・取得方法:講義と演習(受講方法は様々)
・合格率:ほぼ100%
(「1-0.無資格の方は義務化!認知症介護基礎研修」については追記)
1-1.介護職員初任者研修
・取得難易度:★☆☆☆☆(星が少ないと取得しやすいです)
・おすすめ度:★★★★★
・取得方法:講習+筆記
・合格率:ほぼ100%
これから介護を始める上で、早くて3ヶ月で必要最低限の知識と技術を学ぶことが出来ます。
自宅を訪問して介護をする「在宅サービス」に必要となり、かつ手の旧ヘルパー2級相当の資格です。
詳しい取得方法やおすすめの学校はこちら
1-2.実務者研修
・取得難易度:★☆☆☆☆(星が少ないと取得しやすいです)
・おすすめ度:★★★★☆
・取得方法:講習+筆記
・合格率:ほぼ100%
介護職員初任者研修より深い知識や認知症やたん吸引・経管栄養の知識も技術を学びます。
参考:厚生労働省のサイトより
実務者研修と介護福祉士の取得者はサービス提供責任者として勤務する上で、望まれます
(ホームヘルパー2級を修了し3年以上の実務経験を得ることでサービス提供責任者と認められた者も可)。
専門学校等の2年の教育課程を経ずに実務経験3年以上の要件を満たしていても
実務者研修の受講が終了していなければ、介護福祉士の受験資格がありません。
また、実務経験ルートでは、実務者研修の修了で介護福祉士の実技試験が免除されます。
1-3介護福祉士
・取得難易度:★★★☆☆(星が少ないと取得しやすいです)
・おすすめ度:★★★★★
・取得方法:実技+筆記
・合格率:69.9%(令和元年度)
介護資格唯一の国家資格です。待遇に大きく関係します。
また、介護福祉士になって、5年以上の実務経験で介護支援専門員(ケアマネージャー)の受験資格を得ることが出来ます。
介護福祉士の取得ルートの詳細は下記の図をご覧下さい。
政府としても、介護離職ゼロを目指すことを目的に2019年10月と定め、財源には消費税率10%の引き上げで生じる増収分に「8万円相当の賃上げ」が盛り込まれています。
参考:厚生労働省より
介護福祉士になると下記の様なキャリアステップも望めます。
訪問介護事業所のサービス担当責任者や管理者
介護施設のフロアリーダーや施設長
ケアマネージャー
利用者を中心としたカンファレンスでの介護職の代表としての参加
キャリアスッテプ例:
詳しくは、「介護福祉士の取得方法とメリットとは?介護福祉士国家試験について」
1-4.介護支援専門員(ケアマネージャー)
・取得難易度:★★★★★(星が少ないと取得しやすいです)
・おすすめ度:★★★☆☆(キャリアステップによる)
・取得方法:実技+筆記
・合格率:10.1%(平成30年)
ケアマネージャーになると、居宅介護支援事業所や、老人ホームやデイサービスなどの事務所で利用者様のケアプラン(必要な介護計画)、介護報酬等を計算するなど、事務処理が主な業務になるので、体力仕事から離れることが出来ます。
ただ、一部の介護施設・事業所では現場での介護業務との兼務する場合があるので注意が必要です。
メリットとして大きく4つ
①体力仕事から離れることが出来る(※現場によっては、介護職との兼任の場合も多いので注意して下さい)
②夜勤がない
③一般介護職員と比べ、平均で4~5万円/月の給料アップが見込めます
④キャリアアップ・転職の幅が広がります
(昇進・転職に有利な材料になることや地域包括支援センターでの勤務まで広がります)
資格を取得するには
年に1回、秋に試験があります。
都道府県単位で行われ、勤務地か住所地の都道府県で試験を受けることになります。
筆記試験に合格したあと、規定の実務研修を受講し、介護支援専門員としての資格を得られます。
募集要件は
「介護福祉士になって、5年以上の実務経験(当該業務に従事した日数が900日以上であること)」等になります。
平成28年度の試験では、合格率10%を割った都道府県が続出しており、難易度は上がっています。
もし、政府が今後介護予防の対策が広がった際には、より重要な資格になると思われます。
参考URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000054119.html(PDF:概要より)
1-5.主任ケアマネージャー(主任介護支援専門員)
・取得難易度:★★☆☆☆(星が少ないと取得しやすいです)
・おすすめ度:★★★☆☆(キャリアステップによる)
・取得方法:主任介護支援専門員研修が必須
・合格率:ー
ケアマネージャーのまとめ役的存在になる専門職。
主な業務
①新人ケアマネージャーの指導・ 育成・相談
②ケアプランの作成時にケアマネージャーへの支援や相談
③地域課題の発見や解決
④地域の発展のために尽力すること
メリット
①キャリアがあると認識され、転職に有利
(特定事業所加算の関係から現場によっては主任ケアマネージャーを必要とします)
②専門職としての誇りを得ることが出来る
取得方法は、研修や資格の管理などは、ケアマネージャー同様、各都道府県が行っています。
費用は5万円程度、研修時間は70時間程度です(都道府県によって異なりますのでご確認下さい)
日本ケアマネジメント学会が発行する資格として、「認定ケアマネージャー資格」もありますので
ケアマネージャーのキャリア確立を目指す方は視野に入れても良いかと思います。
1-6.認知症ケア専門士
・取得難易度:★★★☆☆(星が少ないと取得しやすいです)
・おすすめ度:★★★☆☆
・取得方法:1次試験(筆記試験)と2次試験(論述・面接)
・合格率:54.7%(平成30年)
認知症ケア専門士は、民間資格です。また国家資格ではないため、この資格の有無によって、担当できる業務が増えると言ったことはありません。
しかしながら、認知症ケア専門士の資格は2005年に創立されており、認知症の方へ接する機会が多い、医療・介護業界ではメジャーな資格になってきております。
この資格を取得することによって、認知症への理解や技術をより深めた証となりますので、介護業界だけでなく、医療業界でも必要とされる知識を身につけたと証明する事に繋がります。
取得条件や合格率などはこちら
1-7.難病患者ホームヘルパー養成研修
・取得難易度:★☆☆☆☆(星が少ないと取得しやすいです)
・おすすめ度:★★★★☆
・取得方法:講習(1日必要)
・合格率:ー
難病患者等ホームヘルパーとは、難病患者等の多様化するニーズに対応した適切なホームヘルプサービスを提供するため、必要な知識、技能を有するホームヘルパーのことです。
難病は多種多様で以下のような疾患が挙げられます。
- 消化器系疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病等)
- 自己免疫疾患(全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、皮膚筋炎/多発性筋炎等)
- 神経・筋疾患(パーキンソン病、もやもや病、多発性硬化症/視神経脊髄炎、重症筋無力症等)
他にも沢山あります。
正直、転職には必要ないことが多いですが、おすすめします。
※障害者支援施設とかでは必要になったりすることはあるかもしれません。
ただ、少しでもお年寄りに寄り添ったケアをしたいと思うのであれば、 1日で受けられる研修ですので、是非取得して欲しいと思います。
寄り添ったケアをするのであれば、相手の病気などを理解することは凄く重要です!
経験やエビデンスからの理解ではなく、先を見通したケアが出来ることで、他の方にはないあなたのアイデンティティーになりますので、おすすめします。
1-8.介護事務
・取得難易度:★★★☆☆(星が少ないと取得しやすいです)
・おすすめ度:★★★★☆(キャリアステップによる)
介護事務は老人ホームなどの介護施設や介護事業所などで事務をする仕事
1-9.医療事務
・取得難易度:★★★☆☆(星が少ないと取得しやすいです)
・おすすめ度:★★★★☆(キャリアステップによる)
病院やクリニック、調剤薬局などで事務を行う仕事
2.介護の資格あり・無資格が出来る事出来ない事
介護職員初任者研修の資格が業務の分かれ目になってきます。
そのため、介護職員初任者研修を取得の有無によって、変わる点を紹介していきます。
2.1.無資格でも介護業務は出来る!?
まず、無資格、つまり介護職員初任者研修を取得していなくても、介護職として勤務することは出来ます。
無資格で勤務することに、メリット・デメリットもありますので
後ほど、紹介します。
資格ができない業務としては、訪問介護業務です。
介護業務には、施設サービスと訪問形式の在宅サービスの2つに分けられます。
そのため、施設形態によって、勤務可能な施設が異なります。
資格なしで勤務可能・不可の施設形態
勤務不可…
訪問介護事業所・サービス高齢者住宅・住宅型有料老人ホーム・小規模多機能住宅 (一部勤務を除く)・その他、訪問介護業務に従するもの
勤務可能…
特別養護老人ホーム・グループホーム・デイサービス等のその他介護施設・病院(看護助手として勤務する場合)
2.2介護の転職で無資格の方が働くメリット・デメリット
無資格で勤務することには、勿論メリットとデメリットはあります。
メリット
①資格を取る前に勤務することで、必要かどうか判断し、資格費用が節約できる
デメリット
①知識がない状態で勤務するため、怪我の可能性が高くなる
②業務を覚えることに時間がかかる
(職員とのコミュケーションに支障出ることに注意して下さい)
③転職に不利
2.3.よくある質問
Q:もし、無資格で働くのであれば、どんな施設がおすすめ?
A:年齢も若く体力に自信がある場合は、知識や経験を積む意味でも特別養護老人ホームをおすすめします。
デイサービスなど、介護度の低い施設に転職する際に有利ですが
先に介護度の低いデイサービスから特別養護老人ホームに転職するに不利に働きます。
ただし、初めての介護業務に不安を感じる場合には、多少不利にはなりますが
デイサービスで勤務を始めた後に、資格の取得や他の施設への転職もいいでしょう。
Q:初めて介護現場で働く前に勉強しておくことはありますか?
A:まず、介護業務に必要な単語は知っておくこと必要があります。
働く前には、移乗介助・食事介助・排泄介助・入浴介助の方法について
youtubeやインターネットで事前に調べておきましょう。
3.無資格・未経験の方が働く上まですること
3.1.履歴書の書き方・注意点について
①誤字脱字に注意する
②手書きで行う
③証明写真を忘れない(背景は無地)
④提出する前にコピーをとること
⑤日付は履歴書を提出する日
⑥西暦と和暦を統一する
⑦資格は取得した順に記載する
*間違いやすい介護資格の正式名称例
・ホームヘルパー2級 → 訪問介護員2級養成研修課程修了
・初任者研修 → 介護職員初任者研修
・ケアマネジャー → 介護支援専門員
*記載すべき項目
・介護職員初任者研修
・実務者研修
・介護福祉士
・ケアマネジャー(介護支援専門員)
・社会福祉士
・ホームヘルパー1級・2級(訪問介護員)
*記載する尚よい項目
・認知症ケア専門士
・ガイドヘルパー(移動介護従事者)
・難病患者等ホームヘルパー
・福祉住環境コーディネーター1級・2級・3級
・福祉用具専門相談員
・手話通訳士
・音楽療法士
・介護予防運動指導員
・高齢者コミュニケーター
・介護事務(ケアクラーク)
3.2.履歴書の記載例
4.面接を受ける際に注意すること
服装:スーツ
4.1介護施設の面接で聞かれること:
①志望理由
②職歴について(勤務期間・何をしたか・退職理由)
③なぜ介護をしようと思ったか
④今後、どういった介護をしたいか
⑤介護とは何か(経験者の場合)
※面接ではなるべく、前職場の悪いことは言わないように注意して下さい。。。
(面接官は、もし採用し、辞めることになった時に、自分の施設も悪く言われるのではないかと思ってしまいます。
嘘をつく必要はないですが、悪く思われる必要もないと思いますので。。。)
5.介護の転職から学ぶ失敗例
極端な例を紹介しますので、稀なケースも紹介しています。
①いざ入職してみると、給与が求人サイトと違っていた
②勤務してみるお局様がいて、職場環境が劣悪だった
③思ってもない業務があった
※例えば、デイサービスでは送迎業務、グループホームでは調理業務等です
④職員の人数が少なく、詳しく教えてくれない。マニュアルもなく、職員によって介助の仕方が違う。
(このケースはよく聞きますので、事前に少しでも知識や経験があれば助かります)
5.1.介護の施設の職場を選ぶ際には、以下の点に注意!
①施設のホームページの理念や内容、法人自体が持つ施設を知っておく
※法人内異動で特別養護老人ホームからデイサービスに異動し、給与が減ってしまうことや理念・施設内の雰囲気も見ることが出来ます。
②職場の見学等で、職員が声をちゃんと掛け合っているか等の雰囲気
③他の施設と違う点(なるべく良い点)があるか意識して、調べておく
❇︎例えば、新卒採用ページがある法人は、研修などがしっかりしてることが多いです。
④採用になった際に、雇用契約書を確認し求人内容と相違がないか
6.まとめ
最後まで、お読み頂きありがとうございました!
介護に関する資格の種類、無資格で行える業務内容や面接の対策まで紹介した。
この先、皆さんが納得のいく職場が見つかることを願ってます。