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今回は、面接通過率がUPするような、介護職向けの自己分析方法について紹介します。
同じ業界・同じ業種に転職するから自己分析は必要ないと思われている方もいるのではないでしょうか?
私は介護職の方の転職支援をしている仕事上、担当している求職者様に「自己分析をしていますか?」と必ず聞きます。
すると、ほとんどの方から「自己分析はしていない」と返答されますが、介護職経験がある人ほど自己分析をしたほうがいいのです。
そもそも介護業界での転職は、介護職経験があると優遇されることが多いので自己分析をしなくても大丈夫という風潮があるのだと思います。
しかし、自己分析ができていれば、より面接がうまく進むようになります。
その結果、面接の通過率が上がったり、就業条件や評価が上がるケースも多くあります。
より面接通過率を高め、より高い評価や就業条件を獲得するためにも、自己分析は面接までにしっかりとしておきましょう。
自己分析をするメリット
自己分析をするメリットは大きくわけて、3つあります。
①価値観が合う・合わないを判断しやすくなる
②面接がスムーズに進むようになる
③自信を持つことができるようになる
自己分析には時間と労力がかかりますが、自己分析をするだけでこんなにもメリットがあります。
特に、「①合う・合わないを判断しやすくなる」は介護士としてお仕事を続けることができる職場かどうかを判断することになるので、自身のキャリアに直結してきます。
無駄な転職を増やさないためにも自己分析は必要ということですね。
では、メリット3つをそれぞれ詳しく紹介します。
価値観が合う・合わないを判断しやすくなる
自己分析をするメリットに、その施設と価値観が合うか・合わないかを判断しやすくなるということがあります。
自己分析をすることで、「軸」ができます。
「軸」とは、何を大切にするか、どのように働きたいかなどの「自分の仕事における理念」と言い換えることができます。
どの法人・どの施設にも必ず、「理念」や「ミッション」などと呼ばれるものがあり、法人や施設の「軸」となるものなのです。
自己分析ができていれば、面接の場で自分の「軸」と法人や施設の「軸」が合うかどうかを判断できるということになるのです。
「軸」が合っていない例をいくつか挙げてみましょう。
<自分と施設の「軸」が合っていない例>
①「成長軸」が合っていない
施設:常に変化できる人材を求める
自分:ゆっくりと成長していきたい
②「収入軸」が合っていない
施設:年功序列を重んじているので、給料は勤続年数によって決める
自分:とにかく頑張って稼ぎたい
③「仕事軸」が合っていない
施設:入居者・他の職員が最優先なので、積極的に残業をしてもらう人を歓迎する
自分:プライベートを充実させたいので、残業はしたくない
例に挙げたようなケースは、面接でよくあることです。
「合わない」と自分で判断できればいいのですが、「軸」がなければそもそも「合うのか合わないのか」を判断することができません。
それを判断できなければ、結果的に就職した先を早期で退職することになる可能性が高まります。
「合う」ところで働くためにも、「合わない」ところで働くことを避けるためにも、「軸」を理解することは重要なのです。
面接がスムーズに進むようになる
自己分析をするメリットの2つ目に、面接がスムーズに進むようになるということがあります。
自己分析をすることで、自身の経歴や過去を振り返ったり、現在や今後のことについて考えるきっかけになります。
面接では過去や現在・未来のこと、つまり「退職理由」や「志望動機」・「将来のビジョン」を聞かれますよね?
退職理由については経験したことなので、聞かれてもすぐに答えることができるという人が多いと思います。
しかし、将来のビジョンについてはどうでしょうか?
普段から考えていなければ未来のことを聞かれても、すぐに答えることは難しいと思います。
面接では過去の経験ももちろん重要視します。
ただ、面接官が1番ほしいのは、「一緒に働いたらどうなるのか?」「過去の経験を今後どのように活かそうとしているのか?」などの、未来についての回答なのです。
自己分析をしておくことで、未来についての質問にもスムーズに答えることができるようになります。
自信を持つことができるようになる
自己分析をするメリットの3つ目に、自信を持つことができるようになるということがあります。
自己分析をすることで、自分の得意分野や強みがわかります。
得意分野や強みを理解しているということは、自己肯定感につながるので自信がみなぎってくるのです。
一方で、自己分析をしていると、不得意分野や弱みが見えてくることもあると思います。
そういう場合も極力、得意分野や強みに目を向けるようにしましょう。
誰にでも得意分野や強みがあります。
面接の場で、ある程度の自信を持っているということは、評価をあげるための1つの重要なポイントなのです。
自己分析の具体的な方法
自己分析におけるメリットをご理解いただけたところで、自己分析の具体的な方法を3つ紹介します。
①時系列で振り返る
②家族や友人に聞く
③テーマを決めて深堀りをする
私がオススメするのはこれら3つの方法ですが、他にもたくさんの方法があります。
重要なことは、自分がやりやすいと思う方法で自己分析をするということです。
1つの方法にこだわらず、いくつか試してみてください。
今回は、オススメの3つの方法をそれぞれ詳しく説明していきます。
時系列で振り返る
自己分析の具体的な方法、1つ目は時系列で振り返るです。
時系列で振り返る方法には、ポイントが3つあります。
①最低でも中学生くらいから振り返る
②プライベートと仕事で分ける
③起きた事柄とそのときの感情を書き出す
自身の年表を作るイメージで、紙に書き出してみましょう。
仕事や学生時代に起きたこと、プライベートで起きたこと、そのときの感情を紐解くことで、自分に対する理解が深まります。
ポイントを細かく説明しますので、参考にしながら進めてみてください。
最低でも中学生くらいから振り返る
自己分析をするにあたり、ほとんどの人は働き始めてから現在までの期間で自己分析をします。
しかし、働く上での重要な「軸」は、仕事以外の事柄から出来上がっていることが多いのです。
可能であれば、小学生以前の幼少期から自己分析をしたいところですが、中学生くらいからでも大丈夫です。
3年~5年をひとくくりとして年表形式にしてみてください。
プライベートと仕事で分ける
1つの年表ができあがれば、同じようにもう1つ作成してください。
1つは仕事や学生時代を振り返る用、もう1つはプライベートを振り返る用です。
仕事における「軸」はプライベートからできていることが多く、プライベートにおける「軸」は仕事からできていることも多いのです。
いかに仕事とプライベートが蜜に関係しているのかを自分でも理解することで、仕事における自分の「軸」を大切にしようと思うことができますよ。
起きた事柄とそのときの感情を書き出す
年表ができあがれば、それぞれのタイミングで最も印象に残っている事柄と、そのときの感情を書き出してください。
印象に残っている事柄に順位をつけることが難しい場合は、いくつ書き出してもらっても構いません。
深く考えすぎず、思いついたことをすぐに書き留めるようにしましょう。
また、そのときの感情は、正直に書くようにしてください。
自分がどう思ったかを客観的に見ることで、自分に対する理解が深まります。
家族や友人に聞く
自己分析の具体的な方法、2つ目は家族や友人に聞くです。
担当している求職者の方へ自己分析をするようにお願いすると、このように言われることがあります。
自己分析を自分のことを客観的に見れない
あまり良い経験をしていると思えない
振り返る期間が長すぎて年表を作るのが難しい
など、、、
このような方に最適なのが、家族や友人に聞くという方法です。
自分のことを理解してくれてそうな人、自分が信頼できる人に質問をしてみましょう。
よく使う質問例を挙げておきますので、参考にしてみてください。
<質問例>
①あなたから見て私は、どのような性格ですか?
②あなたから見て、私の強みや弱みはどこにあると思いますか?
③あなたは私のことを、周囲にどのような人だと紹介してくれますか?
このような質問をすることで、客観的に自分がどのように見られているのかを理解することができます。
ただし、あまり接点の無い人や自分のことを理解してくれてなさそうな人に質問をすると、適切な答えが返ってこなかったり、自己肯定感を下げてしまう可能性があるため注意が必要です。
テーマを決めて深堀りする
自己分析の具体的な方法、3つ目はテーマを決めて深堀りするです。
これは、「時系列で振り返る」や「家族や友人に聞く」の後に行うことが多いです。
いきなり、どんなテーマにしようかな?とスタートしても、なかなかうまくいきません。
時系列で振り返ったときの事柄や感情をテーマにしたり、家族や友人に聞いたときの話をテーマにすることでスムーズに進みますよ。
深堀りする際のポイントは、「それはなぜ?」を3回繰り返すことです。
例を挙げてみましょう。
<深堀り例>
テーマ:介護の仕事が好きだ
なぜ①(介護の仕事が好きな理由):誰かの役に立てることが嬉しいと思うから
なぜ②(嬉しいと思う理由):「ありがとう」と言われることが多いから
なぜ③(「ありがとう」と言われるようになった理由):勉強を怠らなかったから
この例のように、1つのテーマから3回の「なぜ?」を繰り返すことで、まったく違った回答が出てくるのです。
介護の仕事が好きな理由を深堀りしてみたら、「勉強を怠らない」という強みを発見することができました。
得意分野や強みは表面的な事柄よりも、その事柄の背景から得られていることが多いので、深堀りをすることが自己分析には役立つのです。
自己分析のポイント
自己分析の具体的な方法がわかったところで、より効果的に自己分析を進めるためのポイントを紹介します。
①自分に正直に
②メモに書き出す
の2つです。
この2つを意識するだけで、格段に自己分析の結果は良くなります。
それぞれ説明します。
自分に正直に
自己分析の1つ目のポイントは、「自分に正直に」ということです。
自己分析とは、自分自身を正しく客観的に理解するものですので、自分にウソをついてしまっては意味がありません。
例えば、経歴やそのときの感情を良くしようということですね。
ほかにもウソとまではいかないものの、家族や友人に聞いた内容を良いように解釈したり、より良くしてしまうことなども避けたいですね。
経歴や感情はもちろんのこと、家族や友人に聞いた内容もそのまま書き出すようにしましょう。
メモに書き出す
自己分析の2つ目のポイントは、メモに書き出すということです。
「スマホやタブレット、パソコンなどで入力するほうが、メモに書くよりも楽だ!」という気持ちはわかります。
ただ、自己分析は、そのときだけやっておけば良いのではなく、少なくとも面接までは記憶しておいて、話すことができなければいけません。
なので、より記憶に残りやすい「書く」ということをしてみてください。
書くことのほうが記憶に残りやすいという調査結果があります。
UCLAの心理学者Pam A. MuellerとDaniel M. Oppenheimerが、大学生を対象に調べたところ、パソコンよりも手書きでノートを取った方が、授業でもテストでもより覚えが良いことがわかりました。
覚えが良くなったのは、パソコンの方が注意散漫になる要素が多いというだけでなく、手書きは理解したことや記憶をエンコード(記号化)しやすいように反映させたり、操作したりする過程が含まれるからです。(出典:ニューヨーク・タイムズ)
できる限り記憶に残すことができるよう、自己分析の際はメモに書き出すようにしましょう。
まとめ
今回は、介護職向け自己分析方法を紹介しました。
自己分析をすることで、多くのメリットがあります。
自己分析の方法もいくつかあるので、自分に合う方法で試してみることをオススメします。
今まで自己分析をしていなかったという方は、今回をきっかけにトライしてみてください。
今までも自己分析をしていたという方は、正しい方法で取り組めていたかを振り返ってみてください。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。