介護職の目標といえば、国家資格である介護福祉士ではないでしょうか。
今回は、「そもそも介護福祉士って何?」と言う所から、介護福祉士の取得方法・取得するメリットの説明をしていきます。
また、国家試験の必要資料や内容についてと
最後には、介護福祉士に合格した際の注意を書いてますので是非見て下さい。
1.介護福祉士とは
介護福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法を根拠とする国家資格。
福祉系では、社会福祉士・精神保健福祉士と並ぶ、名称独占資格の国家資格である。
2.介護福祉士の取得方法
介護福祉士を取得するには4つのルートがありますので、細かな内容について説明していきます。
2.1 介護福祉士の受験資格とは?
まずは、受験ルートについて以下の画像をご覧下さい。
(注意1)「社会福祉士及び介護福祉士法」の改正により、平成29年度(第30回)から、養成施設ルートが介護福祉士国家試験の受験資格となりました。なお、養成施設を令和8年度末までに卒業する方は、卒業後5年の間は、国家試験を受験しなくても、または、合格しなくても、介護福祉士になることができます。この間に国家試験に合格するか、卒業後5年間続けて介護等の業務に従事することで、5年経過後も介護福祉士の登録を継続することができます。令和9年度以降に養成施設を卒業する方からは、国家試験に合格しなければ介護福祉士になることはできません。
(注意2)実務経験ルートで受験を希望する方は「実務経験3年以上」だけでは受験できません。
(注意3)平成20年度以前に福祉系高等学校(専攻科を含む)に入学し、卒業した方、特例高等学校(専攻科を含む)を卒業し、9か月以上介護等の業務に従事した方が、「実技試験の免除」を申請する場合は、「介護技術講習」を修了する必要があります。「実務者研修」を修了しても「実技試験免除」となりません。
参考:「公益財団法人社会福祉振興・試験センター」よりhttp://www.sssc.or.jp/kaigo/shikaku/route.html
2.2 国家試験受験ルートについて
先程の画像の4つのルートについて説明していきます。
2.2.1 養成施設ルート
養成施設ルートには大きく2通りあります。
①高等学校を卒業後、2年制以上の介護福祉士養成施設を卒業
②高等学校を卒業後、福祉系大学、社会福祉養成施設、保育士養成施設のいずれかを卒業したのち、1年制以上の介護福祉士養成施設を卒業
(注意1)で、先程お伝えした内容と被りますが
平成29年度(第30回)から、養成施設ルートが介護福祉士国家試験の受験資格となりました。なお、養成施設を令和8年度末までに卒業する方は、卒業後5年の間は、国家試験を受験しなくても、または、合格しなくても、介護福祉士になることができます。
この間に国家試験に合格するか、卒業後5年間続けて介護等の業務に従事することで、5年経過後も介護福祉士の登録を継続することができます。
※注意して欲しいことが、令和9年度(2027年度)以降に養成施設を卒業する方からは、国家試験に合格しなければ介護福祉士になることはできません。
2.2.2 実務経験ルート(多くの方はこのルートになると思います!!)
実務経験ルートで介護福祉士になる方も多いと思いますのでご注意下さい。
要件としては、
3年以上の実務経験+実務者研修の修了(もしくは、介護職員基礎研修+喀痰吸引等研修の修了)
になります。
- よくある質問
その為、特に派遣社員やパートの方はタイムシートなど、勤務時間がわかるものを無くさないようにしましょう。
免除科目などの詳細は、「実務者研修の4つのメリットとは?取得期間と免除科目は?」をご覧下さい実務者研修の4つのメリットとは?取得期間と免除科目は?
(複雑な場合がありますので、詳細は公式ページでご確認下さい。。)
2.2.3 福祉系高校ルート
高等学校又は中等教育学校(それぞれ専攻科を含む)において福祉に関する所定の教科目及び単位数を修めて卒業し、介護福祉士国家試験に合格した者になります。
①福祉系高等学校に平成21年度(2009年度)以降に入学し、新カリキュラムを修めて卒業
②特例高等学校に平成21年度(2009年度)以降に入学し、必須単位を取得。卒業後、9ヵ月以上の介護等の実務経験が必要
(「実務者研修」を修了しても「実技試験免除」となりません。)
※介護技術講習を未受講の場合:国家試験にて実技試験あり
※介護技術講習を受講済みの場合:国家試験にて実技試験免除
③福祉系高等学校に平成20年度(2008年度)以前に入学し、旧カリキュラムを修めて卒業
→②同様です。
※介護技術講習を未受講の場合:国家試験にて実技試験あり
※介護技術講習を受講済みの場合:国家試験にて実技試験免除
2.2.4 経済連携協定ルート(EPA)ルート
EPA介護福祉士候補者が3年以上の介護等の実務経験が必要です。
介護技術講習または実務者研修(EPA介護福祉士候補者のみ)を修了した場合には実技試験免除
そもそもEPAとは?
経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)とは、貿易の自由化に加え、投資、人の移動、知的財産の保護や競争政策におけるルール作り、様々な分野での協力の要素等を含む、幅広い経済関係の強化を目的とする協定のことです。
参考URL:http://www.sssc.or.jp/kaigo/shikaku/k_06.html
EPA介護福祉士候補者とは
公益社団法人国際厚生事業団が紹介した受入機関と締結した雇用契約に明示された受入施設において、研修責任者の監督の下で日本の介護福祉士資格を取得することを目的とした研修を受けながら就労するインドネシア人、フィリピン人及びベトナム人をいいます。
参考URL:http://www.sssc.or.jp/kaigo/shikaku/k_06.html
3.介護福祉士のメリットとは
介護福祉士が得られるメリットは大きく3つです。
3.1 給与がアップする
多くの施設では、資格手当として5,000円~25,000円/月もらえます。
パートの方の場合は時給が上がったり、夜勤手当がアップすることが多いです。
実際、全国平均で介護職員初任者研修は月給285,610円、介護福祉士は月給313,920円でした。
つまり、初任者研修との差は、月28,310円でした!!
参考URL:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/19/dl/30gaiyou.pdf
詳細は、「【最新・H30度】介護職の資格・施設サービス・年齢別の平均給与」をご覧下さい
【最新・H30度】介護職の資格・施設サービス・年齢別の平均給与
3.2 転職に有利
転職する際、介護福祉士を取得していると、かなりの確率で優遇されることほとんどです。
実際求人には介護福祉士優遇と書いていたり、未経験OKと求人を出している施設でも本音は介護福祉士を来て欲しい気持ちが少なからずあります。
3.3 介護技術・知識の向上
もちろん、介護職員初任者研修でも必要な知識が得ることができますが、介護福祉士を取得することで本人の介護技術の向上や周りの職員からの信頼にも繋がります。
4.国家試験「介護福祉士」の内容について
そもそも受験の用件などはわかっても、受験の内容がわからないと困りますよね。。。
その為、受験についての説明をしていきます。
4.1申込に必要な資料
住民票・卒業証明書・振替払込受付証明書などありますが
必ず『公益財団法人 社会福祉振興・試験センター』のページからご確認下さい。
http://www.sssc.or.jp/kaigo/tetsuzuki.html
4.2合格基準・合格率
4.2.1筆記試験の合格基準
次の2つの条件を満たした者を筆記試験の合格者とする。
ア 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。
イ アを満たした者のうち、以下の試験科目11科目群すべてにおいて得点があった者。
[1] 人間の尊厳と自立、介護の基本
[2] 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
[3] 社会の理解
[4] 生活支援技術
[5] 介護過程
[6] 発達と老化の理解
[7] 認知症の理解
[8] 障害の理解
[9] こころとからだのしくみ
[10] 医療的ケア
[11] 総合問題
(注意)配点は、1問1点の125点満点である
4.2.2実技試験の合格基準
課題の総得点の60%程度を基準として、課題の難易度で補正した点数以上の得点の者を実技試験の合格者とする。
4.2.3合格率について
第32回介護福祉士国家試験の合格発表では、以下の形でした。
受験者数:84,032人
合格者数:58,745人
合格率:69.9%
4.3領域と科目
領域:人間と社会
[1]人間の尊厳と自立
[2]人間関係とコミュニケーション
[3]社会の理解
領域:介護
[4]介護の基本
[5]コミュニケーション技術
[6]生活支援技術
[7]介護過程
領域:こころとからだのしくみ
[8]発達と老化の理解
[9]認知症の理解
[10]障害の理解
[11]こころとからだのしくみ
領域:医療的ケア
[12]医療的ケア
領域:総合問題
[13]総合問題
5.合格した時の注意事項
試験合格通知証が届きますので、手続きを済ませるようにしましょう。
合格通知書に記載の『登録の手引』を行わないと資格を取得したことになりませんので、ご注意下さい。
6.まとめ
介護福祉士には4つのルートがあるが、多くの人が通る実務経験ルートでは
3年以上の実務経験+実務者研修の修了(もしくは、介護職員基礎研修+喀痰吸引等研修の修了)
になります。
介護福祉士を取得すると、給与アップ、転職に有利や施設内の評価に繋がりますので
是非、目指すことをおすすめします!!