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今回は介護職向けあるあると、介護職向けストレス対策方法を紹介します!
介護職は、「我慢」をしなければならないことが多い職業ですよね。
・いつでも笑顔で対応しなければならない
・しんどくても入居者、利用者が優先
・シフトがばらばらで休みも調整しにくい
・給料に満足できない
・様々な職種、役職の人と一緒に働くから理不尽なこともある
など、自分の力では防ぐことができないストレスが降りかかってきます。
今回は、忙しい介護のお仕事をしているみなさんでも、簡単ですぐに実行できるストレス解消方法を紹介します。
今の環境にストレスを感じることが多い人に是非ご覧頂きたいと思います。
まずは、実際にどんなときにストレスを感じることが多いのかを見ていきましょう。
介護士がストレスの溜まる大変なこと
介護職はストレスが大きく、精神的にも負荷が大きい仕事だと言われています。
実際にストレスを感じるシチュエーションを、あるある形式でくわしく見ていきましょう。
介護士がストレスの溜まる大変なこと①上司や職員間のハラスメント
・上司や同僚が人によって態度を変える
・「男性なのに」や「女性だから」などの差別的発言がある
・挨拶をしても無視をされる
・わからないから聞いているのに、「なんでこんなこともわからないの?」と怒られる
おそらく、上司や職員間のストレスが一番多いのではないでしょうか?
忙しくピリピリしている人が多い職場であるほど、上司や職員間のハラスメントが起きやすいものです。
介護労働安定センターが発表しているように、訪問介護事業所では約50%の事業所が、介護施設では約35%の施設が職員の人手不足感を感じているのです。
あなたが勤務している施設は人手不足感を感じていますか?
もし人手不足感があるのであれば、上司や同僚からのハラスメントもあるのが実情ではないでしょうか。
介護士がストレスの溜まる大変なこと②入居者や家族からのハラスメント
入居者から介助中にセクハラを受ける
入居者の家族から度が過ぎた指摘や暴言を受ける
入居者を過度に心配する家族のフォロー
上司や同僚からのハラスメントだけでなく、お客様にあたる入居者や入居者の家族からのハラスメントを受けることもありますよね。
身体の不調や認知症を理由に身体を触られたり、家族からのクレームがあったりしますが、「お客様」なので雑に対応することはできません。
表情や対応と、心の中の感情を変えて対応しなければいけないことは精神的に負担が大きいことです。
介護士がストレスの溜まる大変なこと③入居者との関係
親しかった入居者の看取り
急変による業務負担が増える
ナースコールを用も無く押す
入居者から担当変更のクレームを受ける
認知症の対応が難しい
介護職をしていると、怒りの感情からくるストレスだけではなく、悲しさや寂しさからくるストレスも付き物です。
親しかった入居者を看取ることが代表的な例で、人の死に立ち会うということはどんなときでも精神的負担があります。
また、元気だった入居者に急変が起きたことで業務が増えたり、重度の認知症の方の対応が大変だったりしているうちに、
他の入居者の対応がおぼつかなくなり、ミスが発生してクレームに変わるなど。。。
終末期のケアをしている介護職の方によくあるケースです。
介護士がストレスの溜まる大変なこと④業務上の不満など
シフトが急に変更されている
夜勤が連続で続いていた
介護記録がしっかり書かれておらず、自分が残業しなければいけなくなった
事故報告を自分がさせられることになった
入居者の情報共有が適切にされておらず、間違った対応をした
給与の計算を間違われていた
介護職には、色々な家庭事情を抱えて働いている人がいます。
日勤のみや、土日休み、夜勤のみなど色々なシフトがあるので、1人の勤務予定が変わることで何人かの勤務予定を変更しなければならないことがあります。
勤務予定変更をしっかりと共有してくれれば問題はないのですが、まれに共有されていないことがあり、急にシフト変更されていると気づくケースがあります。
他にも、夜勤が続いていることや、連勤が続いていること、希望休が通っていないことなどが勤務シフトによるストレスになりますよね。
業務においても、その人その人でやり方が違ったりすることがきっかけでストレスになることも多くあります。
ストレスを我慢することで起こる可能性がある症状
ストレス状態を我慢し続けることで起こる病気や症状があります。
主に精神面に現れ、それが体調面へ影響してしまいます。
ストレスを我慢し続けることは、精神的にも体調的にも良くないことなのです。
・うつ病や適応障害などの精神疾患
2021年に入り、テニスプレーヤーの大坂なおみさんがうつ病を告白したり、女優の深田恭子さんが適応障害を告白しました。
普段からメンタル面も鍛えていたり、長く表舞台で活躍されているような方もうつ病や適応障害になるのだと大きな反響を呼びました。
うつ病の原因について、厚生労働省のホームページには、
発症の原因は正確にはよくわかっていませんが、感情や意欲を司る脳の働きに何らかの不調が生じているものと考えられています。うつ病の背景には、精神的ストレスや身体的ストレスなどが指摘されることが多いですが、辛い体験や悲しい出来事のみならず、結婚や進学、就職、引越しなどといった嬉しい出来事の後にも発症することがあります。
(引用:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_depressive.html)
と記載されています。
適応障害については、千葉大学大学院の清水 栄司先生が
適応障害は、強いストレスによって、日常生活を送ることが困難になるほどの”こころの不調”が現れる病気です。
(引用:https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_977.html)
と解説しています。
事実、大坂なおみさんは試合後のインタビューがストレスであったことを公表しており、うつ病を発症した原因の1つであったのではないでしょうか。
公益社団法人日本精神神経学会の統計では、
1999年の精神疾患の推計患者数(医療機関にかかっている患者数)は,外来170.0万人,入院34.1万人でしたが,2008年には外来290.0万人,入院33.3万人と,外来・入院の合計で1.6倍に増加しており、国民の40人に1人は精神疾患の治療のために医療機関を利用している
(引用:https://www.jspn.or.jp/modules/residents/index.php?content_id=7)
とのデータを発表しています。
おそらく2021年時点ではもっと増えていることになるでしょう。
誰でも精神疾患にかかる可能性があるので、日々ストレスを発散していくことが重要ということです。
・バーンアウトなど
バーンアウトは、燃え尽き症候群とも言われます。
頑張りすぎている人の気持ちの糸が切れた瞬間に、何に対してもやる気が無くなってしまう状態になるというものです。
バーンアウト(燃え尽き症候群)を起こす要因としては2つ挙げられます。
(1)個人要因
相手のために頑張り続けてしまう仕事熱心な人
真面目すぎる人
仕事に対する理想と現実のギャップを感じることがある人
(2)環境要因
長時間にわたる勤務や厳しいノルマがある仕事
身体的負担がある仕事
実際の業務内容に対して給与が見合っていないと感じる仕事
環境要因については、退職・転職をすることで環境を変えることができます。
しかし、個人要因については、過去の経験からくる自分の考えや、性格的な部分も含まれるためすぐに変えることができません。
考えや性格を変えることは難しいですが、ストレス対策をすることは今日からできます!
少しずつでも行動することで、バーンアウト(燃え尽き症候群)にならぬようにもケアしていきましょう。
具体的なストレス対策例
それでは、具体的なストレス対策例を紹介します。
①から③にかけて段階的になっているので、①から順番に試してみてくださいね!
①まずはストレスを認め、書いて忘れよう
どんなにすごい人でもイラッとすることくらいありますが、感情がブレることは自体は悪いことではありません。
イラッとした出来事から意図的に意識を離すだけで、ほとんどのイライラは落ち着きます。
客観的に自分を見る
まずは、自分がストレスを感じているということを認めることからスタートです。
ストレスを感じているということに対して、自分を否定する必要はありません。
「あ~今むかついてるな~」とか「今ちょっとイラッとした」とか、自分の気持ちをただただ真っ直ぐに受け止めてあげましょう。
できれば、ストレスを感じたことがわかったときから【5秒】カウントしてみてください。
より落ち着くことができますよ。
書きなぐる
一時的には落ち着くことができても、寝る前にイラッとしたことを思い出したりすることもありますよね。
そういったときには、その感情を文章にして書き出し、読み返すことなく捨てましょう。
方法は簡単で、「いらない紙に思ったままのことを書いて、書き終わったらその紙を捨てる」というものです。
ポイントは、
・紙にペンやえんぴつで書くこと
・思いついた言葉をそのまま書くこと
・対象の人がいる場合は名前も書くこと
・読み返さないですぐに捨てる
です。
紙やペンを用意することができない場合は、携帯のメモでも大丈夫ですが、「書くこと」で頭の整理をすることができるので、書くことをオススメします。
ストレスフルな状況を思い返すと、多少汚い言葉が出てくることもありますし、普通は名前を言うことはできませんが、それも気にしなくて大丈夫です。
書いた内容は自分しか見ないので、「○○さんが△△したことがむかついた!」と書いて大丈夫です。
最後に、たくさん書いた紙は破るなり、ぐちゃぐちゃにするなりしてすぐに捨てましょう。
捨てるという行為自体に、ストレス発散効果があるのです!
②そのうえで信頼できる人に相談しよう
客観的に自分を見ても、書きなぐっても解消されることが無いストレスもあると思います。
人間関係におけるストレスなどは長引きますよね。。。
そういうときは、溜め込まずに信頼できる人に相談するようにしましょう。
落ち着いてから相談(感情に任せない)
人に相談するときには、落ち着いてから話すようにしましょう。
感情が高ぶっているときは相手にうまく伝えることができず、相手が理解できなくなってしまうケースがあります。
そうなると、相手に対して「自分のことを理解してくれない人だ」と思ってしまうことになり、大切な相談相手を失うことになりかねません。
相談したいことをしっかりと整理して、アドバイスをもらうことができるような話し方を意識しましょう。
できれば施設外の人へ(うわさが回らないように)
勤務している介護施設内で起きたことについては、同じ職場の人に相談することは避けたほうが良いでしょう。
職場で話すとなれば、どこで誰が聞いているかわかりません。
職場外で話すとしても、その人が言いふらさないという保証はありません。
口止めをしていたのに、いつの間にか知れ渡ってしまっている、、、というケースはよくあることです。
③自分の好きなことを思い切り楽しもう
誰かに相談してもうまく解決できなかったり、そもそも誰かに相談しにいくことがストレスになることもあります。
そんなときは、自分が好きなことに思いっきり時間を使って、とにかく楽しみましょう。
・時間を忘れて取り組めるようなことをする
・身体を動かしたり、日光に当たる
こういったことが良いとされています。
これに当てはまればなんでも良く、日光に当たることが苦手な人は、時間を忘れて取り組めるようなことだけで大丈夫です。
自分が好きなことに、自分の時間を使って、目一杯自分を甘やかせてあげるんです。
普段からストレスを我慢しているので、少しくらい甘やかしてもいいです。
またこの時間を楽しむために、仕事を頑張ろうと思えればそれでいいのです。
まとめ
今回は、介護職向けあるあると介護職向けストレス対策を紹介しました。
介護職で働く人には自分ではどうしようもないストレスを抱えてしまうことが多くあります。
ただ、ストレスを抱え続けてしまうと、うつ病や適応障害などの精神疾患になるリスクが高くなってしまいます。
また、ストレスに打ち勝とう!と頑張りすぎると、バーンアウト(燃え尽き症候群)にもなりかねません。
そのようなことがきっかけで働けなくなってしまっては元も子もないので、ストレスを感じた瞬間にケアする必要があります。
ストレスケアの具体的な方法として、
①まずはストレスを認め、書いて忘れよう
②そのうえで信頼できる人に相談しよう
③自分の好きなことを思い切り楽しもう
を紹介させて頂きました。
本記事が、できる限りストレスが少ない状態で介護職として働くことができることきっかけになれば嬉しいです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。