2025年問題では、医療・福祉の問題が顕在化するといわれており、2050年問題では2025年問題の拡大、延いては日本の崩壊だと予測されている。
では、その間の2030年問題には何が起きるのか!?
1. 2030年問題とは何?
2030年問題は、2025年問題と同じく少子高齢化により人口減少が起きることで社会保障問題や労働人口不足の問題を総称したものになります。
2030年問題の流れとしては以下の形でしょうか。
①労働人口不足・高齢者の増加
②GDPの低下
③年金・社会保障制度への影響
大きく2025年問題と同じになりますが、2030年には少子高齢化がさらに進み、人口の約3分の1が高齢者になると言われています。
生産年齢人口(15歳から64歳の人口)が2020年では7,612万2,894人でしたが、2030年には6,875万4,000人にと約736万人の減少が見込まれています。
高齢化が確実に進む中、労働人口の減少に伴って人材不足に悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
2.人材不足になりそうな業界とは
IT業界
経済産業省が示した報告書のデータによると、ITの人材の不足については2021年は31万人で右肩上がりで増え続け、2030年にはその数は約45万人にものぼると予測されています。
要因として、IT市場のの成長が著しくITの変化が激しいため、必要なスキルが大きく変わってきているためと言われています。
介護業界
経産省のデータによると、介護人材については2035年には約79万人が不足すると言われています。
2017年のデータになりますが、介護労働安定センター「平成29年の介護労働実態調査」によると66%の介護施設が人手不足で問題になっている。
皆さんが感じている通り、2020年になっても多くの介護事業所が人手不足で困っています。
全体での不足感(「大いに不足」+「不足」+「やや不足」)は 66.6%(62.6%)でした。
(また「適当」は 33.0%(37.0%)でした)
介護労働安定センター「平成29年の介護労働実態調査」:http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h29_chousa_kekka.pdf
要因として、高齢者の増加・法令で定められた最低人員配置(特養であれば入居者3人に対して1人)や採用難・職場環境にあると言われています。
退職理由は結婚・出産・育児ですが、3位には人間関係で24.7%であると言われています。
航空業界
2030年にはバブル期に大量採用されたパイロット達が定年を迎えるの事による人材不足が懸念されています。
需要があるものの募集が集まらないのが現状です。
建設業
建設業は1997年を境に減少を続けています。さらにはオリンピックなど建設業の需要が拡大しています。
要因としては、若者の職人が入ってこないこと・リーマンショック以降に離れた職人達が復職しないこと・職場環境(肉体労働など)が大きいと言われています。
サービス・流通業界
近年、amazonや楽天といったインターネットの通信販売の発展により、ドライバー不足になりました。
業務の問題点を見直しと新しい取り組みやテクノロジーを取り入れることを必要とされている状況です。
3.労働人口の減少は年金・社会保障制度の崩壊!?
結論から言うと、GDPが下がるので経済成長への影響が大きく、社会保障の負担割合も大きくなることが問題となります。
(また、人口減によって労働力人口が減少して成長率が下がることを「人口オーナス」と言います)
社会保障制度をこのまま続けていくと、2050年には若者は高齢者を1対1の肩車状態で支えることになります。
年金、医療保険、介護保険などの社会保障制度を維持するには給料の1割しか残らないとも言われています。
そのため、給与が上がらず支払いが増えるので、より厳しい生活を過ごすことが予測されます。
これからの対策には、下記の内容が主となりますがこのままでは問題なことは間違いないでしょう。
・外国人人材による労働力の供給
・ロボットや自動化による技術導入
4. 2030年問題についてのまとめ
2030年には、2025年問題と同じく少子高齢化により人口減少が起きることで社会保障問題や労働人口不足の問題を総称します。
- 労働人口不足・高齢者の増加
- GDPの低下による
- 年金・社会保障制度への影響
2030年には労働人口不足が顕著になる中で、必要なスキルや生き残るための準備が必要とされます。
2030年の問題を知っておく事で、これからの将来にむけた準備の参考になれば幸いです。