今回は、介護職のキャリアップに役立つ資格について紹介します。
介護の資格の種類は何があるのか。
まず、介護職員初任者研修を取る事をオススメします!
ただ、介護職員初任者研修や介護福祉士だけじゃない!!
1.介護・ケアマネージャーに関する資格の種類
介護の職種・資格には沢山の種類があります。
大きく分けて介護・ケアマネジャー・相談援助・リハビリテーション・栄養と調理・事務です。
介護に関する資格は主に3つあります。
下図の様に取得順に、介護職員初任者研修、実務者研修、介護福祉士です。
1-1.介護職員初任者研修
・取得難易度:★☆☆☆☆(星が少ないと取得しやすいです)
・おすすめ度:★★★★★
・取得方法:講習+筆記
・合格率:ほぼ100%
これから介護を始める上で、早くて3ヶ月で必要最低限の知識と技術を学ぶことが出来ます。
自宅を訪問して介護をする「在宅サービス」に必要となり、かつ手の旧ヘルパー2級相当の資格です。
詳しい取得方法やおすすめの学校はこちら
1-2.実務者研修
・取得難易度:★☆☆☆☆(星が少ないと取得しやすいです)
・おすすめ度:★★★★☆
・取得方法:講習+筆記
・合格率:ほぼ100%
介護職員初任者研修より深い知識や認知症やたん吸引・経管栄養の知識も技術を学びます。
参考:厚生労働省のサイトより
実務者研修と介護福祉士の取得者はサービス提供責任者として勤務する上で、望まれます
(ホームヘルパー2級を修了し3年以上の実務経験を得ることでサービス提供責任者と認められた者も可)。
専門学校等の2年の教育課程を経ずに実務経験3年以上の要件を満たしていても
実務者研修の受講が終了していなければ、介護福祉士の受験資格がありません。
また、実務経験ルートでは、実務者研修の修了で介護福祉士の実技試験が免除されます。
1-3介護福祉士
・取得難易度:★★★☆☆(星が少ないと取得しやすいです)
・おすすめ度:★★★★★
・取得方法:実技+筆記
・合格率:69.9%(令和元年度)
介護資格唯一の国家資格です。待遇に大きく関係します。
また、介護福祉士になって、5年以上の実務経験で介護支援専門員(ケアマネージャー)の受験資格を得ることが出来ます。
介護福祉士の取得ルートの詳細は下記の図をご覧下さい。
政府としても、介護離職ゼロを目指すことを目的に2019年10月と定め、財源には消費税率10%の引き上げで生じる増収分に「8万円相当の賃上げ」が盛り込まれています。
参考:厚生労働省より
介護福祉士になると下記の様なキャリアステップも望めます。
訪問介護事業所のサービス担当責任者や管理者
介護施設のフロアリーダーや施設長
ケアマネージャー
利用者を中心としたカンファレンスでの介護職の代表としての参加
キャリアスッテプ例:
詳しくは、「介護福祉士の取得方法とメリットとは?介護福祉士国家試験について」
1-4.介護支援専門員(ケアマネージャー)
・取得難易度:★★★★★(星が少ないと取得しやすいです)
・おすすめ度:★★★☆☆(キャリアステップによる)
・取得方法:実技+筆記
・合格率:10.1%(平成30年)
ケアマネージャーになると、居宅介護支援事業所や、老人ホームやデイサービスなどの事務所で利用者様のケアプラン(必要な介護計画)、介護報酬等を計算するなど、事務処理が主な業務になるので、体力仕事から離れることが出来ます。
ただ、一部の介護施設・事業所では現場での介護業務との兼務する場合があるので注意が必要です。
メリットとして大きく4つ
①体力仕事から離れることが出来る(※現場によっては、介護職との兼任の場合も多いので注意して下さい)
②夜勤がない
③一般介護職員と比べ、平均で4~5万円/月の給料アップが見込めます
④キャリアアップ・転職の幅が広がります
(昇進・転職に有利な材料になることや地域包括支援センターでの勤務まで広がります)
資格を取得するには
年に1回、秋に試験があります。
都道府県単位で行われ、勤務地か住所地の都道府県で試験を受けることになります。
筆記試験に合格したあと、規定の実務研修を受講し、介護支援専門員としての資格を得られます。
募集要件は
「介護福祉士になって、5年以上の実務経験(当該業務に従事した日数が900日以上であること)」等になります。
平成28年度の試験では、合格率10%を割った都道府県が続出しており、難易度は上がっています。
もし、政府が今後介護予防の対策が広がった際には、より重要な資格になると思われます。
参考URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000054119.html(PDF:概要より)
1-5.主任ケアマネージャー(主任介護支援専門員)
・取得難易度:★★☆☆☆(星が少ないと取得しやすいです)
・おすすめ度:★★★☆☆(キャリアステップによる)
・取得方法:主任介護支援専門員研修が必須
・合格率:ー
ケアマネージャーのまとめ役的存在になる専門職。
主な業務
①新人ケアマネージャーの指導・ 育成・相談
②ケアプランの作成時にケアマネージャーへの支援や相談
③地域課題の発見や解決
④地域の発展のために尽力すること
メリット
①キャリアがあると認識され、転職に有利
(特定事業所加算の関係から現場によっては主任ケアマネージャーを必要とします)
②専門職としての誇りを得ることが出来る
取得方法は、研修や資格の管理などは、ケアマネージャー同様、各都道府県が行っています。
費用は5万円程度、研修時間は70時間程度です(都道府県によって異なりますのでご確認下さい)
日本ケアマネジメント学会が発行する資格として、「認定ケアマネージャー資格」もありますので
ケアマネージャーのキャリア確立を目指す方は視野に入れても良いかと思います。
1-6.認知症ケア専門士
・取得難易度:★★★☆☆(星が少ないと取得しやすいです)
・おすすめ度:★★★☆☆
・取得方法:1次試験(筆記試験)と2次試験(論述・面接)
・合格率:54.7%(平成30年)
認知症ケア専門士は、民間資格です。また国家資格ではないため、この資格の有無によって、担当できる業務が増えると言ったことはありません。
しかしながら、認知症ケア専門士の資格は2005年に創立されており、認知症の方へ接する機会が多い、医療・介護業界ではメジャーな資格になってきております。
この資格を取得することによって、認知症への理解や技術をより深めた証となりますので、介護業界だけでなく、医療業界でも必要とされる知識を身につけたと証明する事に繋がります。
取得条件や合格率などはこちら
1-7.難病患者ホームヘルパー養成研修
・取得難易度:★☆☆☆☆(星が少ないと取得しやすいです)
・おすすめ度:★★★★☆
・取得方法:講習(1日必要)
・合格率:ー
難病患者等ホームヘルパーとは、難病患者等の多様化するニーズに対応した適切なホームヘルプサービスを提供するため、必要な知識、技能を有するホームヘルパーのことです。
難病は多種多様で以下のような疾患が挙げられます。
- 消化器系疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病等)
- 自己免疫疾患(全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、皮膚筋炎/多発性筋炎等)
- 神経・筋疾患(パーキンソン病、もやもや病、多発性硬化症/視神経脊髄炎、重症筋無力症等)
他にも沢山あります。
正直、転職には必要ないことが多いですが、おすすめします。
※障害者支援施設とかでは必要になったりすることはあるかもしれません。
ただ、少しでもお年寄りに寄り添ったケアをしたいと思うのであれば、 1日で受けられる研修ですので、是非取得して欲しいと思います。
寄り添ったケアをするのであれば、相手の病気などを理解することは凄く重要です!
経験やエビデンスからの理解ではなく、先を見通したケアが出来ることで、他の方にはないあなたのアイデンティティーになりますので、おすすめします。
1-8.介護事務
・取得難易度:★★★☆☆(星が少ないと取得しやすいです)
・おすすめ度:★★★★☆(キャリアステップによる)
介護事務は老人ホームなどの介護施設や介護事業所などで事務をする仕事
1-9.医療事務
・取得難易度:★★★☆☆(星が少ないと取得しやすいです)
・おすすめ度:★★★★☆(キャリアステップによる)
病院やクリニック、調剤薬局などで事務を行う仕事
2.相談援助(ソーシャルワーク)に関する資格の種類
2-1.社会福祉士
身体・精神状態等により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する仕事です。
社会福祉士を持つ方の多くは、病院のソーシャルワーカーや生活相談員(利用者さんやその家族との相談業務・施設との調整や手続き・地域やその他コミュニティとの連携等の業務をする人)として勤務している人が多いと思います。
メリット
①知識を深めることが出来る
②体力仕事から相談業務に専念ができる
③キャリを積むことが出来る
(フロアリーダーや施設長に必要な知識を持つ人として、リーダーや管理職募集の際に、社会福祉士資格取得者を募集要項に記載されることもある)
受験資格・ルート
(注意) 「短期養成施設」「一般養成施設」(以下、「養成施設等」という。)の入学に必要な学歴・相談援助実務等は、各「養成施設等」において審査・決定を行ないますので、ご希望の各「養成施設等」にお問い合わせください。
また、「実習科目免除」の可否につきましてもご希望の各「養成施設等」にお問い合わせください。
2-2.社会福祉主事任用
社会福祉主事とは、都道府県、市町村に設置された福祉事務所や公立の福祉施設などで働き、福祉業務に携わる公務員を言います。
取得要件・ルート
任用資格のため、実際に公務員試験を受け、公務員にならなければ社会福祉主事を名乗る事は出来ません。つまり、公務員として働く必要があります。
2-3.精神保健福祉士/PSW
精神障害者福祉施設や精神科病院などに勤務し、精神障害者の相談援助業務に携わる専門職(国家資格)。
具体的な、業務内容としては精神障害者の保健や福祉に関する専門的な知識および技術を有し、各地の保健所や精神保健福祉センターなどの公立施設に勤務し精神的な障害のある人やその家族の相談に応じて、日常生活がスムーズに営めるように支援したり社会参加に向けた支援活動を行ったりします。
国家資格である。精神保健福祉士となるには、指定試験機関財団法人社会福祉振興・試験センターが実施する精神保健福祉士試験に合格し、精神保健福祉士登録簿に所定の事項の登録を受けなければならない。
精神(科)ソーシャルワーカー、PSW(Psychiatric Social Worker)とも呼ばれる。
3.介護予防・リハビリテーション・その他関連する資格の種類
介護職をする上で関わることもありますが、取得要件は全く違いますので、詳細はお調べ下さい。
3-1.理学療法士(PT)
身体に障害のある人に対して、起きる、座る、立つ、歩く等の日常の基本動作能力の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(電気刺激やマッサージ等)を行うリハビリテーションの専門職( 国家資格)。
PT(Physical Therapy)とも言われます。。理学療法士は、医師の指示のもと理学療法を行ないます。
3-2.作業療法士(OT)
医師の指示のもと、精神等に障害のある人に手芸や工作など、さまざまな作業活動を通して、残された機能の回復・維持、開発を促すリハビリテーションの専門職(国家資格)。
具体的な、業務内容としては、心身に障害のある者に対し指を動かす、食事をする、入浴をする、など日常生活を送る上で必要な機能回復を目的に手対象者の趣味・嗜好を考慮しながら工芸、園芸、レクリエーションまであらゆる作業活動を通して、身体と心のリハビリテーションを行ないます。
3-3.言語聴覚士(ST)
従来は、言語療法士、言語治療士、言語訓練士、臨床言語士等と呼ばれていた。
音声機能、言語機能または聴覚に障害のある者の機能の維持向上を図る為、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査および助言、指導その他の援助を行う事を業とする者。嚥下(えんげ)機能が低下している人に嚥下訓練も行ないます。
具体的な業務内容としては、言語障害(失語症や構音障害など)、聴覚障害、嚥下障害など言葉によるコミュニケーション能力に問題がある人に対し、訓練や指導を行いその能力を向上させ日常生活や社会復帰をサポートをします。
STになるには、専門の養成施設(厚生労働大臣指定)を卒業し国家試験に合格する必要があります。介護保険法改正で、施設等の人員配置基準でOT・PT等と一緒に数えられる。
3-4.視能訓練士
眼科で、医師の指示のもとに視能検査を行うと共に、斜視や弱視の訓練治療なども行う専門職(国家資格)。保健所・学校・職場などでの集団検診や視るための補助具の選定なども行う。
3-5.聴能訓練士
難聴など聴覚に障害がある人に対して、聴力検査や補聴器の選択・使い方の指導や聴覚の回復・治療などのリハビリを行う専門職。言語聴覚士(国家資格)の業務のうち、聴覚に特化した部分を受け持つ。
3-6.保健師
厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導を行うための国家資格。
公的機関である保健所や市町村に勤務し、個人や集団に対して、健康保険増進の指導、疾病予防の指導、健康相談、健康教育等広く地域住民の公衆衛生に必要な保健指導を行う。その働く場所により地域の保健師、産業保健師、学校保健師等に大別される。
3-7.准看護師
看護師が国家資格免許なのに対し、都道府県知事の免許を受けて医師と看護師からの指示に従って補佐的な業務を行う職に就く人をさします。
具体的な、業務内容としては患者様の薬の管理や健康状態のチェック、診療の補助、などを行います。
准看護師になるには中学又は高校卒業後に、准看護師養成所で2年間の勉学の後、あるいは中学校卒業後に、高等学校衛生看護科で3年(定時制4年)の勉学の後、准看護師試験に合格すれば資格がもらえます。
3-8.栄養士
給食のメニュー作成から栄養指導を行える資格です。
3-9.管理栄養士
給食のメニュー作成から栄養指導を行える高度な知識と技術をもった専門職です。
介護保険制度の中には、栄養に関する加算も多く重要な位置づけの厚生労働大臣の免許を受ける国家資格の一つです。
4.まとめ
最後まで、お読み頂きありがとうございました!
介護に関する資格の種類を紹介しました。
この先、皆さんが納得のいく職場が見つかることを願ってます。