介護に関わる皆さん、認知症ケア専門士という資格をご存知でしょうか?ここではちょっとニッチな資格、認知症ケア専門士とは何か?から取得条件や合格難易度、有用性まで含めて解説していきます。
1.認知症ケア専門士とは?
認知症ケア専門士は、民間資格です。
この資格を創立した一般社団法人日本認知症ケア学会によると、「認知症ケアに対する優れた学識と高度の技術、および倫理観を備えた専門技術士を養成し、わが国における認知症ケア技術の向上ならびに保健・福祉に貢献する」と記載されています。
参照URL http://ninchisyoucare.com
また国家資格ではないため、この資格の有無によって、担当できる業務が増えると言ったことはありません。
しかしながら、認知症ケア専門士の資格は2005年に創立されており、認知症の方へ接する機会が多い、医療・介護業界ではメジャーな資格になってきており、加えて、以下で紹介しますが、受験資格が高く、これまでにある程度のキャリアを築いた方しか取得ができなくなっており、この資格に対する社会的信用は比較的高く認識されていると言える資格ではないでしょうか。
加えて、この資格を取得することによって、認知症への理解や技術をより深めた証となりますので、介護業界だけでなく、医療業界でも必要とされる知識を身につけたと証明する事に繋がります。
2.資格取得条件
そんな認知症ケア専門士の取得条件を見ていきましょう。
認知症ケア専門士の資格を受験するには、実務経験が必要となっております。ここでいう実務経験とは、「認知症ケアの関連機関や団体において、受験年の3月31日より10年以内に3年間の実務経験があること」と決められています。
認知症ケアの関連機関や団体とは、認知症ケアに携わっている機関や団体を指します。したがって認知症患者を受け入れてる施設や病院の中で、職種や職務内容によって弾かれるものではありません。つまり、認知症専門の介護施設や病院等だけでなく、認知症ケアに携わっている職場での実務経験があれば受験資格を得られます。
(※ボランティアや実習の期間は、対象外ですのでご注意ください。)
3.資格合格率
認知症ケア専門士試験の合格率はどれくらいでしょうか?
合格率:54.7%
(参照先はこちら)
と難関国家資格ほどではありませんが、民間資格の中では中々レベルが高い試験では無いでしょうか。
3-1.資格維持
世の中の資格には、一度取得してしまえば一生その資格を保有する事ができるものから、条件をクリアすることで更新することができるもの、TOEICなどのように一定の期限しか持てないものがあります。
認知症ケア専門士は更新制の資格となっていて、資格取得から5年間で30単位を獲得することで資格を更新することができます。
単位とは、資格の主催者が認める勉強会へ参加する事で取得でき、認知症の専門士としての知識を常に新しいものとして、専門士としての資格保有者のレベルを高水準で保つために科されると考えられます。また、勉強会などに参加する事で、他の専門士と交流する機会を設けられ、横の繋がりや他職種との連携を強化する狙いもあるのでは無いでしょうか。
4.持ってた方がいいの?
認知症ケア専門士の資格を有する事により、認知症の方への関わりの知識がより高いと認識されるので、施設では、より実践的技術と専門知識を持った人材としての役割が期待されるのでは無いでしょうか。
したがって介護現場などで、認知症の方への支援に困ったときにより良いケアの方法を考え実践したり、職員へアドバイスしたりと、現場をマネジメントする立場で専門知識を発揮する事を期待されるポストを任される事になるかと思います。
そうした、周りの人よりも、より深い専門知識を、身につけ、仕事や転職などで生かしたいと考える方には、周りと差の付けられるおすすめの資格だと言えるのでしょうか。
5.最短で合格する方法
認知症ケア専門士の試験は一次と二次に分かれています。一次試験の合格者が二次試験へと進む事になります。
それでは一次試験と二次試験の試験内容をご紹介します。
5-1.認知症ケア専門士一次試験の内容
一次試験は、認知症ケアの基礎から実践問題が大問として4つ出てきます。これらは全てマーク式回答(答えを黒塗りする回答方法)になっております。
しかし、これら4つの分野でそれぞれ70%以上の正答率をクリアせねばならず、認知症ケアの基礎知識から実践知識までをしっかり勉強していないと攻略が難しくなります。
5-2.認知症ケア専門士二次試験の内容
二次試験では、論述試験と、試験当日に発表される課題に関するスピーチとディスカッションになっています。
したがって認知症ケア専門士の試験は、単純に知識を問われるだけでなく、論理的に文章を記載できる力、課題を私見を交えて説明する力も必要とされており、単純な民間資格に比べて、資格所有者のレベルが高い事が想像できるので無いでしょうか。
5-3.最短合格するには
これまでの説明で、認知症ケア専門士の試験は難しいと思われた方が多いかもしれませんが、きちんと対策を練ったカリキュラムで勉強すると比較的楽に合格することができると言われています。
eラーニングでいつでもどこでも勉強ができ、さらに合格率90%以上を謳っている認知症ケア専門士1次試験対策eラーニング講座(専用テキスト付)なんかは、より合格への角度を高めてくれるのではないでしょか。
まとめ
いかがでしたでしょうか?知れば知るほど、認知症に関して専門知識を身につけられ、資格取得や維持が難しい認知症ケア専門士の資格を身につけて、よりプロとして介護の世界で活躍するのも、悪くないのではないでしょうか?周りが持ってなく、かつ比較的難しいというのも、ライバルと差をつける意味では有効かも知れませんね。